モザイク(Mosaic®)ホップの特徴と使い方
モザイク|T90ペレット|アメリカ産 Crosby Hops™
トロピカルフルーツ、ブルーベリー、マンゴー、そして柑橘。
モザイクは、ひとつの品種の中に複数の香りが同居しているのが持ち味で、その多彩さが名前の由来にもなっています。
香りの層が厚いぶん、単独でもビールを組み立てられる品種です。
このページでは、モザイクをどのタイミングで、どのスタイルに、どう組み合わせて使うかを整理したうえで、当社取扱いロットの分析値(COA)まで載せています。
当社取扱いロットの分析値
※ Lot PE05018 のCOA記載値(検査日 2026年1月9日)です。モザイクの標準的な範囲は、α酸11.5〜13.5%、β酸3.2〜3.9%、コフムロン24〜26%、総オイル1.0〜1.5 ml/100g です(育成元の資料)。ホップは農産物のため、収穫年・圃場によって数値は変動します。
モザイクはどんなホップか
モザイクの香りの中心は、トロピカルフルーツ、ブルーベリー、マンゴー、柑橘です。
そこに、松や土のようなニュアンスが重なります。
花のような香りやストーンフルーツまで含めて、いくつもの香りが複雑に混ざり合うのがこの品種の持ち味です。

当社の商品ページでは、香りを「Tropical / Fruit, Berry, Piney / Resinous」と表記しています。
ベリーと樹脂っぽさが同居しているところが、ほかのトロピカル系の品種との違いです。
投入タイミング別の使い方
モザイクは、α酸が中程度で、香りのもとになるオイルが多い品種です。
そのため、ボイル終盤の投入(レイトアディション)とドライホップで、持ち味がいちばん生きます。
IPAやペールエールのように、ホップが主役のスタイルでよく選ばれています。
| タイミング | 向き | 根拠と考えかた |
|---|---|---|
| ボイル序盤 (ビタリング) |
○ 使える | 当社ロットのα酸は13.6%、規格でも10〜15%と高めなので、苦味は十分に取れます。ただ、モザイクの持ち味は香りの側にあります。オイルの多さを活かすなら、終盤以降に回す設計になります。 |
| ボイル終盤〜 ホップスタンド |
◎ 主戦場 | レイトアディションにあたるタイミングで、持ち味がいちばん出るところです。 |
| ドライホップ | ◎ 主戦場 | ボイル終盤と並んで、持ち味がいちばん出るところです。香り成分の45〜65%をミルセンが占めます(規格値)。 |
苦味と香りの両方に使えるα酸を持っていますが、持ち味が出るのはレイトアディションとドライホップです。まずはこの2か所に置くところから始めるのが、品種の性格に沿った入り方です。
相性のよいビアスタイル
ホップが主役のスタイル、とくにIPAの仲間とペールエールによく合います。
| スタイル | 合う理由 |
|---|---|
| NEIPA (ヘイジーIPA) |
単独でも、シトラと組み合わせても使われます。 |
| ウエストコーストIPA | パイナップル、マンゴー、パッションフルーツといったトロピカルな香りが、モザイクをIPAで人気の品種にしました。 |
| ダブルIPA | 強い苦味を出す力と、豊かな香りの両方を持っています。 |
| ペールエール | なめらかさと特徴的な香りが、ペールエールによく合います。 |
| セッションIPA | NEIPAと同じく、単独でもシトラと組み合わせても使われます。 |
| ラガー | ラガーにもよく合います。 |
表の内容は、Crosby Hops™、BarthHaas(品種ページ・製品ガイド)、Yakima Chief Hops の資料にもとづきます。詳しくはページ下の「参照した情報」をご覧ください。
組み合わせるなら
モザイクと組み合わせる品種には、次の6つがあります。
いずれも当社の取扱品種です。
組み合わせの品種のうち、シトラ ホップは、品種名をクリックすると特徴と使い方をご確認いただけます。
当社では、カスケード+モザイク+ドルシータの3品種でご注文いただくことも多くあります。
在庫の状況は品種によって変わります。最新の取扱いは商品一覧でご確認ください。
ロットの分析値(COA)
当社は、輸入するロットごとに分析証明書(COA)を公開しています。
表のロット番号をクリックすると、そのロットのCOA原本(PDF)が開きます。
横にスライドすると、右端の在庫まで見られます→
| 商品 | ロット | 収穫年 | α酸 | β酸 | HSI | 総オイル | 価格(5kg) |
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| Mosaic® HBC 369Crosby Hops™ | PE05018 | 2025 | 13.6% | 3.7% | 0.307 | 1.7 |
¥33,500 在庫あり |
総オイルの単位は ml/100g。在庫・価格は2026年10月19日時点で、税込表記はストアに準じます。
α酸は苦味のもとになる成分で、投入量を決めるときにまず見る値です。総オイルが多いほど香り成分の総量が多くなります。HSIは酸化の進み具合を見る指標で、値が高いほど酸化が進んでいると評価されます(同じ品種・同じ収穫年の中で比べるのが基本です)。
レシピを固定して運用される場合は、ロットごとの数値に合わせて投入量を補正してください。
COA原本は、当社がDropboxで公開しているファイルにリンクしています。ファイルの整理などでリンクが開けない場合は、サイトのメニュー「COA」からご覧ください。
この品種の背景
モザイクは、John I. Haas と Yakima Chief Ranches の合弁会社 Hop Breeding Company が育成し、2012年に発表した品種です。
系統は、Simcoe® YCR 14 を母に、Nugget 由来の雄を父に持つ組み合わせです。
モザイクという名前は、香りと風味の多彩さから付けられました。
香りが複雑なぶん、シングルホップのビールにも向いていて、ベースのホップとしても幅の広い表情を見せます。
鮮度と保管について
モザイクを20℃で6か月保管すると、α酸の残存率は75%です(育成元の資料)。
常温に置くと、半年で4分の1のα酸が失われる計算です。
当社は、冷凍コンテナでの輸入 → −18℃の冷凍倉庫での保管 → 冷凍便での配送で取り扱っています。
お手元に届いた後も、冷凍で保管してください。一回で使い切れない場合は、圧着して密閉してください。
Mosaic® HBC 369 を購入する
5kg/袋。2025年クロップをご用意しています(2026年10月19日時点)。
よくある質問
どのタイミングで入れるのがいいですか?
レイトアディション(ボイル終盤)とドライホップです。
α酸は中程度で、香りのもとになるオイルが多い品種なので、まずはこの2か所に置くところから始めてみてください。
モザイクを主役にしたビールは作れますか?
作れます。
モザイクの複雑な香りはシングルホップのビールに向いていて、ベースのホップとしても幅の広い風味を見せます。
IPAやペールエールなど、ホップが主役のスタイルでもよく選ばれています。
代わりに使える品種はありますか?
香りの特徴・使い方・オイルの組成が近い品種には、センテニアル、シトラ、ネルソンソーヴィン、シムコーがあります(Yakima Chief Hops の官能評価チームによる選定)。
4品種とも当社の取扱品種です。
置き換えるときは、ロットごとの分析値も見比べてください。
ロットが変わると数値も変わりますか?
変わります。
α酸の幅は資料によっても違い、10〜15%(Crosby Hops™ の規格)、11.5〜13.5%(Yakima Chief Ranches の標準レンジ)です。
当社の現行ロット(PE05018)は13.6%でした。
ロットごとの分析値をご確認ください。
ホップオイルのモザイクとは何が違いますか?
モザイクには、ペレットのほかにホップオイル(Abstrax Tech™「Quantum Series - Mosaic®」)という形態もあり、当社でも取り扱っています。
ペレットとの違いや使い方は、ホップオイルの解説記事(準備中)で紹介します。
5kgを一度に使い切れません。どうすればいいですか?
冷凍で保管し、一回で使い切れない場合は圧着して密閉してください。
初めての品種を最小単位の5kgで試す場合でも、使い切れない醸造所さまがほとんどです。
ほかのホップの種類を見る
ホップ品種辞典|ホップの種類と特徴を品種ごとに解説
Dank Hop Collection が取り扱うホップを、品種ごとに解説するホップ品種辞典です。香りの特徴、投入タイミング別の使い方、相性のよいビアスタイル、ロット別の分析値(COA)まで。
参照した情報
- スペック・価格・在庫・香りの表記:Dank Hop Collection 商品ページ(2026-10-19時点)
- ロットの実測値:Lot PE05018 の分析証明書(Crosby Hops Lab、検査日 2026-01-09)。原本は Dank Hop Collection が公開しているCOAフォルダ Dropbox「COA & Spider Chart」
- 香りの表現・投入タイミング・推奨スタイル・組み合わせる品種・規格値:Crosby Hops「Mosaic® HBC 369」https://www.crosbyhops.com/hops/varieties/mosaic
- 発表年・育成・系統・香りの表現・標準レンジ・保存時のα酸残存率:Yakima Chief Ranches「Mosaic® Brand HBC 369」https://www.yakimachiefranches.com/brands/detail.html?varietyid=6
- 苦味と香りの特徴・IPAで人気の理由・ペールエールとIPAへの適性:BarthHaas「Mosaic®」https://www.barthhaas.com/en/hop-varieties/mosaic/NEIPA・セッションIPA・ラガーでの使い方:BarthHaas「Product Guide」https://www.barthhaas.com/fileadmin/user_upload/01-barthhaas-2022/Downloads/Reports_Broschures/Other/English/barthhaas-product-guide.pdf
- 名前の由来・シングルホップへの適性・発表年・系統・苦味と香り・似た品種:Yakima Chief Hops「Mosaic® Brand」https://www.yakimachief.com/variety/mosaic-brand
- 育成会社(Hop Breeding Company)の構成:Hop Breeding Company https://www.hopbreeding.com/
- 品質管理体制:Dank Hop Collection 掲載内容
- よく一緒に注文される組み合わせ・保管の注意:当社の取扱い実績にもとづくもので、結果を保証するものではありません