モトゥエカ(Motueka)ホップの特徴と使い方
モトゥエカ(モツエカとも表記)|T90ペレット・CGX™|ニュージーランド産 Hop Revolution NZ™
つぶしたてのライム。
その香りは「モヒート」にたとえられます(品種を所有する NZ Hops)。
ザーツの血を引きながら、ヨーロッパの伝統的なアロマ種とはまったく違う、鮮やかな柑橘が出るのがこの品種です。
ピルスナーからセゾン、大きなエールまで置けます。
このページでは、モトゥエカの使い方を整理したうえで、当社が扱う農園別ロットの分析値(COA)まで載せています。
現在ご購入いただけるロット(Wairua 農園・2026年クロップ)
※ COA記載値です。このロットのCOAには標準レンジも併記されており、α酸6.5〜8%、β酸5.0〜6%、総オイル0.5〜1.0 ml/100g に対して、3項目とも「Above(上回る)」と判定されています。品種としての標準は、α酸5.5〜10%です(NZ Hops)。
モトゥエカはどんなホップか
モトゥエカの香りは、つぶしたての柑橘、モヒートのライムのようなキャラクターです。
非常に生き生きとした強いライムの背景に、トロピカルフルーツとレモンゼストがあり、大きな柑橘の香りが全体を支配します。

当社の商品ページに載せている香りの表記は「Citrus, Tropical/Fruit」です。
ホップオイル版(Quantum Series - Motueka®)の表記は「Tropical, Floral, Candy」です。
投入タイミング別の使い方
モトゥエカは、ケトルへの最初の投入から終盤まで、多くの場面で使える優れたホップです。
とくに、シングルホップの構成で、複数回に分けて投入したときに良さが出ます。
苦味から香りまで一本で担わせられる品種、という位置づけです。
| タイミング | 向き | 根拠と考えかた |
|---|---|---|
| ボイル序盤 (ビタリング) |
◎ | 最初のケトル投入から使える品種です。α酸は品種として5.5〜10%(NZ Hops)、当社の現行ロットは11.81%です。 |
| ボイル終盤〜 ホップスタンド |
◎ | 同じく使える範囲です。オイルとα酸の比重の関係から、度数の高いスタイルにもなじみます。 |
| ドライホップ | ○ | 工程は「最初の投入から終盤まで」と広く示されていますが、ドライホップという語での明示はありません(NZ Hops の資料)。当社ロットの総オイルは1.33 ml/100gです。 |
勧められているのは、1品種で複数回に分けて投入する組み立てです(NZ Hops)。他の品種と重ねる前に、まずモトゥエカだけで前半と後半に振ってみると、この品種の輪郭がつかめます。
相性のよいビアスタイル
セゾンからピルスナーまで、軽いラガーから大きなエールまで、幅広いスタイルに使えます。
伝統的なピルスナーから軽いラガー、エールまで、幅広いスタイルにニューワールドの個性を加える品種です。
| スタイル | 合う理由 |
|---|---|
| ピルスナー | ザーツ系の血を引きながら、鮮やかな柑橘が出ます。2000年代前半から、「フレッシュハーベスト」のラガーやピルスナーの主要なホップとして使われてきました。 |
| ラガー | 「軽いラガーから」使える品種とされています。 |
| セゾン | 推奨されるスタイルに挙げられています。 |
| 大きなエール (高アルコール) |
オイルとα酸の比重が、度数の高いタイプにも完全になじみます。 |
表の内容は、NZ Hops、Yakima Chief Hops の資料にもとづきます。詳しくはページ下の「参照した情報」をご覧ください。
モルトの甘さとのバランスもよく、特殊麦芽の甘みを受け止める形で、味わいにうまく乗ります(NZ Hops)。
組み合わせるなら
モトゥエカは、シングルホップでの使用が勧められている品種です(NZ Hops)。
まずは1品種で組み立て、そのうえで足りない方向を補う品種を重ねるのが、この品種に合った順序です。
農園とロットの分析値(COA)
モトゥエカは、当社では農園別に取り扱っています。
ニュージーランド産のCOAには農園名と摘み取り時期(Pick Time)が記載されるのが特徴で、同じ品種でもどの畑のどの時期のものかまで分かります。
表のロット番号をクリックすると、そのロットのCOA原本(PDF)が開きます。
横にスライドすると、右端の在庫まで見られます→
| 商品 | ロット | クロップ | 農園/摘み | α酸 | β酸 | HSI | 総オイル | 価格(5kg) |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| NZ Motueka™Wairua | MKA26-240-0520 | 2026 | Wairua/Early | 11.81% | 6.51% | 0.249 | 1.33 |
¥32,950 在庫あり |
| NZ Motueka™Tapawera | MKA24-102-0520 | 2024 | Tapawera | 8.7% | 4.1% | 0.221 | 2.0 |
¥25,000 完売 |
| NZ Motueka™ CGX™濃縮タイプ | 3078 | 2025 | ― | 15.2% | 8.9% | 0.282 | 3.0 |
¥68,150 完売 |
総オイルの単位は ml/100g。在庫・価格は2026年10月19日時点で、税込表記はストアに準じます。
2024年 Tapawera のロットは、同じ品種でもα酸8.7%・総オイル2.0と、2026年 Wairua のロットとかなり違う数値です。
α酸は苦味のもとになる成分で、投入量を決めるときにまず見る値です。総オイルが多いほど香り成分の総量が多くなります。HSIは酸化の進み具合を見る指標で、値が高いほど酸化が進んでいると評価されます(同じ品種・同じ収穫年の中で比べるのが基本です)。
ニュージーランド産のCOAには、これらに加えて標準レンジと「Above/Below」の判定が併記されます。レシピを固定して運用される場合は、ロットごとの数値に合わせて投入量を補正してください。
COA原本は、当社がDropboxで公開しているファイルにリンクしています。ファイルの整理などでリンクが開けない場合は、サイトのメニュー「COA」からご覧ください。
Wairua と Tapawera
当社が扱うモトゥエカは、ニュージーランド・ネルソン地方の Hop Revolution NZ™ が栽培しています。
同社は、モトゥエカ川の両岸にあたる Tapawera と Kohatu に農園を持ち、モトゥエカ川流域の220ヘクタールで9品種を育てています(同社の公式サイト)。
COAに農園名と摘み取り時期が載るため、同じモトゥエカでも「どの畑の、いつ摘んだものか」を数値と一緒に確認できます。
現在ご購入いただけるのは Wairua 農園の早摘み(Early)ロットです。
この品種の背景
モトゥエカは、ニュージーランドの Plant & Food Research が育成した三倍体のアロマ種です。
ニュージーランドの育種系統にザーツ(Saazer)を掛け合わせて生まれた品種で、「Hops with a Difference」という育種プログラムの出身です。
当社のホップオイル版の商品説明では、この品種がかつて「Belgian Saaz」と呼ばれていたことにも触れています。
ヨーロッパの伝統的なアロマ種の血を引きながら、ライムのような新世界の柑橘が出るところが、この品種の面白さです。
鮮度と保管について
当社が扱う2026年 Wairua ロットのHSIは0.249、2024年 Tapawera ロットは0.221です。
当社は、冷凍コンテナでの輸入 → −18℃の冷凍倉庫での保管 → 冷凍便での配送で取り扱っています。
お手元に届いた後も、冷凍で保管してください。一回で使い切れない場合は、圧着して密閉してください。
NZ Motueka™ を購入する
5kg/袋。現在ご購入いただけるのは Wairua 農園の2026年クロップです(2026年10月19日時点)。
よくある質問
どのタイミングで入れるのがいいですか?
ケトルへの最初の投入から終盤まで使えます。
シングルホップで、複数回に分けて入れる使い方が勧められています(NZ Hops)。
苦味と香りの両方を一本で担わせられる品種です。
モトゥエカを主役にしたビールは作れますか?
作れます。
シングルホップの構成で、複数回に分けて投入したときに特に良さが出る品種です(NZ Hops)。
代わりに使える品種はありますか?
香りの特徴・使い方・オイルの組成が近い品種には、アドミラルとセンテニアルがあります(Yakima Chief Hops の官能評価チームによる選定)。
このうち当社で取り扱っているのは、センテニアルです。
置き換えるときは、ロットごとの分析値も見比べてください。
ロットが変わると数値も変わりますか?
当社が扱ったロットでも、2024年 Tapawera はα酸8.7%・総オイル2.0、2026年 Wairua はα酸11.81%・総オイル1.33と、ロットによって数値は変わります。
品種としての標準は、α酸5.5〜10%です(NZ Hops)。
ロットごとの分析値をご確認ください。
ホップオイルのモトゥエカとは何が違いますか?
モトゥエカには、ペレットのほかにホップオイル(Abstrax Tech™「Quantum Series - Motueka®」)という形態もあり、当社でも取り扱っています。
ペレットとの違いや使い方は、ホップオイルの解説記事(準備中)で紹介します。
5kgを一度に使い切れません。どうすればいいですか?
冷凍で保管し、一回で使い切れない場合は圧着して密閉してください。
初めての品種を最小単位の5kgで試す場合でも、使い切れない醸造所さまがほとんどです。
ほかのホップの種類を見る
ホップ品種辞典|ホップの種類と特徴を品種ごとに解説
Dank Hop Collection が取り扱うホップを、品種ごとに解説するホップ品種辞典です。香りの特徴、投入タイミング別の使い方、相性のよいビアスタイル、ロット別の分析値(COA)まで。
参照した情報
- スペック・価格・在庫・香りの表記:Dank Hop Collection 商品ページ(2026-10-19時点)
- ロットの実測値・農園名・摘み取り時期・標準レンジ:各ロットの分析証明書(Hop Revolution Limited/分析 Advanced Analytical、CGXは Crosby Hops Lab)。原本は Dank Hop Collection が公開しているCOAフォルダ Dropbox「COA & Spider Chart」
- 香りの表現・投入タイミング・スタイル・α酸レンジ・育成の経緯:NZ Hops「Motueka™」https://nzhops.co.nz/products/motueka
- 相性のよいスタイル・似た品種:Yakima Chief Hops「Motueka™ Brand - NZ Hops」https://www.yakimachief.com/variety/motueka-brand-nz-hops
- 栽培地(Tapawera・Kohatu、モトゥエカ川流域220ヘクタール・9品種):Hop Revolution「Our Hop Farms」https://www.hoprevolution.com/our-farms
- アイキャッチ画像:Hop Revolution「Motueka」https://www.hoprevolution.com/motueka(画像:Hop Revolution)
- 品質管理体制:Dank Hop Collection 掲載内容
- 保管の注意:当社の取扱い実績にもとづくもので、結果を保証するものではありません